土壁の家を作る

古くから日本の家造りでは、壁を土で仕上げていました。

土はどこにでもある超自然素材で、部屋の温度や湿度を調整したりする機能がありますが
壁を仕上るまでに手間がかかるため、現代住宅では敬遠されています。

株式会社深建工房では健康的な生活をしていただくために土壁の家造りに挑んでします。

家づくりの流れ

① 水合わせ

土壁にする粘土質の土はそのまま使うとカビが出ます。水と藁(わら)とを混ぜ合わせることで、藁に含まれている納豆菌と水の作用で土の発酵が始まります。

1ヶ月程そのまま寝かせることで発酵が進み土壁の材料として使えるようになります。先人の知恵ですが一度発酵した土はその後、湿気を吸ってもカビることはありません。

中京地区には、「泥コン屋さん」といって土壁用の土を専門に作ってくれるところが残っているようですが、横浜をはじめ関東には「泥コン屋さん」は存在しません。

このため自家製「土」をこねることになります。

② 小舞掻き

棟上げをして屋根がかかると壁に雨がかからなくなりますので、土壁の下地となる「竹小舞(たけこまい」)」と呼ばれる竹の格子を編んでいきます。

まずは「間渡し竹」で大きなグリッドをつくります。柱、土台、梁などの木の部分に間渡し竹を差し込む穴を開けておいて少し尖らせておいた竹の両端を、竹全体をしならせるようにして穴にはめこみます。

柱と柱の間には通し貫という横材が入っていますので、この貫の上下少し離れたところに「間渡し竹」を入れました。地域やつくり手によって異なるようで、貫と貫の真ん中あたりに入れる場合もあるようです。

「間渡し竹」の固定が終わるとその間に「小舞竹」を藁縄で編み付けて行きます。この細かい「小舞竹」に、土が引っかかり土壁となります。

竹小舞が組み上がると室内に実に美しい光景が広がります。土でふさいでしまうのが、なんとも勿体ないような感傷にかられます。

小舞竹に割り竹を使い、間渡し竹には丸竹を使いました。割竹の幅寸法は20~30mm程度で、小舞竹の空隙は「指が2本通るぐらい」を目安にしています。

③荒壁つけ

水合わせで1か月間かけて発酵させた土を小舞掻きに塗ります。

土は「鏝板(こていた)」という把手のついた板に盛り鏝で竹小舞の片側から土を塗っていきます。

土はドロッとしていますので、小舞竹の空隙から反対側に飛び出てきます。この飛び出た突起状の部分は、「ヘそ」と呼ばれ、乾燥し硬化することで、竹小舞の表裏の土をしっかりとつなげる大事な役割を担います。

反対側から土をつけることを「裏返し」と言います。裏返しは、土が完全に乾ききらない翌日か翌々日に行います。裏返しをすることで、土が竹小舞を両側からはさみ込むことになり、土と小舞竹が一体化し、強度が増します。

④ 大直し

土は乾くと収縮する性質を持っています。乾く事でその表面には無数のひび割れができます。

そのひび割れの隙間や柱や梁との間にできた隙間に砂を入れた荒壁土と呼ばれる土を塗り込んで平滑な面をつくります。この後の中塗り、仕上げ塗りの工程に支障が出ないようにするための重要な処置となります。

⑤ 仕上げ塗り

中塗りの白い漆喰の上に、収縮を抑えるためシュロを付けます。

シュロの上から、砂漆喰で仕上げます。

⑥ 仕上り